あなたは急にしゃっくりが出たら、どのようにして止めますか?ワッと驚かしたり、水を一気飲みしたりしていたりしませんか?
しゃっくりを止めるには? ”両耳に指を入れて押す”
効果的に、しゃっくりを止める方法とは、”両耳に指を入れて押す「耳押し法」”です。
この方法は、とっても簡単な方法ですが、ピタッとしゃっくりが止まります。
私も経験しました。不思議ですね。では何故「しゃっくりが起きるのか?」、「それを止める原理」について考えて見ましょう。
そこで今回紹介するのは、もっと確実にしゃっく者りを止められる方法です。
その名も、“耳押し法”です!
耳押し法はとっても簡単です!
左右の耳にそれぞれ人指し指を入れて、耳の奥をグイグイと30秒~1分ほど押し続けてください。
すると、30秒ほどでピタッとしゃっくりが止まります。
耳押し法がしゃっくりに効果的な理由は、しゃっくりの主な原因である「延髄(えんずい)」の興奮を落ち着かせることができるからです。
延髄とは脳の神経の一部のことで、私たちの身体の運動を制御する働きをしています。
その延髄がなんらかの理由で興奮してしまうと、しゃっくりが起きてしまうんです。
ただ、まれに病気が原因でしゃっくりが起きていることがあります。
その場合、病気が改善しないと、しゃっくりが止まりません。
しゃっくりを甘く見てそのまま放置していると、最悪の場合、何ヵ月もしゃっくりが続いてしまいます。
そうなると、寝ているときにもしゃっくりが止まらないため、熟睡することができずに体への負担が大きくなっていきます・・・!
ですから、しゃっくりが長く続く場合は、早めに病院に行きましょう。
というわけで、今回はしゃっくりの止め方について、しゃっくりが起こる原因などを交えて解説します。
しゃっくりで困っている人がいたら、ぜひこの記事を教えてあげてくださいね。
それでは、まいりますっ!
しゃっくりに効果的な“耳押し法”を試すと、30秒でしゃっくりがピタッと止まります!
ではまず、先ほどお伝えした、しゃっくりに効果的な“耳押し法”を詳しく説明していきます。
“耳押し法”は、以下のふたつの手順でおこないます。
1.両手の人差し指を、両耳に1本ずつ入れる
2.30秒~1分間、少し痛みを感じるくらいの強さで耳の奥をグイグイ押す
この方法はしゃっくりを止めるのに非常に効果があり、100人のうち70人のしゃっくりをピタッ!と止めることができました。(※「ためしてガッテン」より)
ただ、“耳押し法”には、いくつか注意点があります。
1.爪を短く切っておいてくださいあなたの爪が長いと、耳の中に指を入れた際に耳の中を傷つけてしまう可能性があります。
ですから、爪は短く切っておきましょう。2.呼吸器や循環器系の持病がある方は試さないでください耳押し法は、しゃっくりの原因である延髄(えんずい)の興奮をおさえる方法です。
そして、この延髄は呼吸器のほか、心臓や血管などの循環器の働きをコントロールしています。
そのため、呼吸器や循環器などの持病がある方がこの方法を試すと、体調が悪くなってしまう可能性があります。
もし、“耳押し法”を試してもしゃっくりが止まらず、しゃっくりが48時間以上続く場合は、何らかの病気がひそんでいる恐れがあります・・・!
病気が原因の場合のしゃっくりについては後ほど詳しく説明しますね。
また、あなたが誰かとの会話の途中で、突然“耳押し法”を始めてしまうと、話を聞きたくなくて耳を塞いでいるように誤解されてしまいます。
誤解を避けるためにも、「こうすると、しゃっくりが止まるそうだよ。だから今、耳を押さえているんだ」と相手に知らせてあげてくださいね。
このように、効果抜群の“耳押し法”ですが、先ほどお伝えしたように呼吸器や循環器などに疾患がある方は、この方法を試すことができません。
また、時と場合によっては“耳押し法”をするのが難しいこともあると思います。
たとえば、お客様との商談中にしゃっくりが出てしまった場合、その場で“耳押し法”を試すことはできませんよね・・・。
そんな時のために、いつでもどこでも場所を選ばずに試すことができる、“しゃっくりを止めるツボ押し”について紹介しますね。
しゃっくりに効果的なツボ押しについて
では、ここからは、もうひとつのしゃっくりを止める方法である、“しゃっくりに効果的なツボ押し”について説明していきます。
しゃっくりに効果的なツボは、以下の4つです。
これらのツボは、それぞれがしゃっくりに効果的です。
すべてを押す必要はありませんので、あなたが押しやすいツボから試してみてくださいね。
ツボを押すときは、3~5秒間ツボを押し続けて、それを2、3回繰り返してくださいね。
しゃっくりに有効なツボ その1】
巨闕(こけつ)
巨闕
「巨闕(こけつ)」は胸のすぐ下にあり、みぞおちから下に指2本分のところにあるツボです。
このツボを親指以外の4本の指で、体の奥へと押し込みましょう。
程良い刺激を感じる程度の力で押すのがポイントです。
【しゃっくりに有効なツボ その2】
天突(てんとつ)、気舎(きしゃ)
天突と気舎
「天突(てんとつ)」は、左右の鎖骨の間にあるくぼみにあるツボです。
そして、「気舎(きしゃ)」は、鎖骨の上にあるツボで、天突から指2本分のところにあります。
どちらも指で喉(のど)を押しすぎないように注意しながら、体の奥に向かって優しく押しましょう。
【しゃっくりに有効なツボ その3】
内関(ないかん)
内関
「内関(ないかん)」は、手のひらを上にした状態で、手首の根元から肘に向かって指3本分のところにあるツボです。
このツボを押すときは、親指でしっかりと押すようにしましょう。
こういったツボについて詳しく知りたい方は、下記のサイトで様々な症状に効くツボが紹介されていますので、確認してみてくださいね。
さて、これまでしゃっくりを止める方法について説明してきましたが、そもそもなぜしゃっくりが起きるのでしょうか?
その仕組みがわかれば、先ほど説明した“耳押し法”がなぜ効果的なのかもバッチリわかっちゃいます!
しゃっくりの音の正体は、声門が閉まる音だった!
実は、しゃっくりが起きるとき、体の中ではいくつかの変化が起こります。
なかでも、「横隔膜(おうかくまく)」と「声帯(せいたい)」という器官が大きく変化します。
この横隔膜と声帯がどんな器官かを知れば、しゃっくりが起こる理由が分かります。
横隔膜とは、肺の真下にあるドーム状の形をした薄い膜のような筋肉のことです。
この横隔膜が収縮することで肺が膨らんだり縮んだりして、私たちは息を吸ったり吐いたりすることができるんです。
つまり、横隔膜は私たちの呼吸を助ける働きをしています。
そして、声帯は喉の中央にある筋肉性の“ひだ”のことを指します。
この声帯は、ふだん私たちが呼吸をしている時には開いていて、私たちが声を出すときには閉じています。
私たちが声として認識している音は、肺から出た強い息が閉じている声帯を振動させている音なんです。
横隔膜と声帯の説明ができましたので、いよいよ、しゃっくりが起きる理由についてお話していきますね。
しゃっくりが起きると、「ヒック!」という音が出て上半身が揺れますよね。
それは横隔膜が急速に収縮するためです。
横隔膜が急に縮むと、肺が急に膨らむため、肺の容量が大きくなります。
すると、肺が急速に空気を吸い込み、それに伴って声帯がキュッと閉まります。
この声帯が閉まる音が、しゃっくりの「ヒック!」という音なんです。
では、なぜ横隔膜が急に収縮してしまうのでしょうか?
それには、“しゃっくりスイッチ”が関係しています。
しゃっくりスイッチは喉の強い刺激を感知し、しゃっくりを引き起こします
“しゃっくりスイッチ”とは、喉の奥にある神経のことで、延髄へとつながっています。
延髄とは、脳と脊髄(せきずい)をつないでいる中間地点のあたりに存在します。
そして、延髄は私たちの呼吸をコントロールしたり、心臓を動かしたり、身体の運動を制御する働きをしています。
この延髄の役割をサッカーに例えると、延髄は“司令塔”のような役割を果たしています。
ちなみに、脳が監督、身体の様々な器官が選手だと考えてみてください。
サッカーでゲーム展開をうまく運ぶためには、司令塔が監督の指示を理解し、各選手に適切な指示を出していく必要がありますよね?
私たちの身体もこれと同じです。
脳が延髄へと指示を出し、さらに延髄が身体の各器官に正しい指示を出すことで、私たちの身体はスムーズに動いているんです。
でも、しゃっくりが起きているときは、この司令塔が興奮している状態になっているんです。
司令塔が興奮する原因になっているのが、“しゃっくりスイッチ”です。
先ほどのサッカーで例えるなら、しゃっくりスイッチはイエローカードのようなものです。
サッカーの試合で、意図せずにイエローカードを出された司令塔は審判に対して興奮しますよね?
興奮してしまうと、いつもの冷静な司令塔ではなくなり、いつもとは違う指示を選手に出してしまうかもしれません。
それと同じように、延髄は興奮すると自分と神経がつながっている器官に対して、いつもと違った指示を出してしまいます。
そのときに影響を受けるのが、横隔膜と声門なんです。
なぜなら、横隔膜は「横隔神経(おうかくしんけい)」で延髄とつながっていて、声門は「迷走神経(めいそうしんけい)」で延髄とつながっているからです。
そして、この延髄からの指示によって、横隔膜が急速に収縮してしまい声門が閉じてしまうと、しゃっくりが起こってしまうんです。
延髄は一度興奮してしまうと暴れ馬のようになってしまい、しばらく止まりません。
そして、その興奮がおさまるまで、延々としゃっくりが出続けてしまうんです・・・!
この暴れ馬になった延髄は、時間がたてば冷静になり落ち着きを取り戻します。
ただ、すぐしゃっくりを止めたい場合は、この暴れ馬をなだめてあげなくてはいけません。
そのなだめ役となるのが“耳押し法”なんです。
耳に指を入れるとしゃっくりが止まる理由は、延髄の興奮を抑えることができるから
“耳押し法”では、耳の中に指を入れて耳を刺激しますよね。
これは、耳と延髄の間に通っている神経に刺激を与えることで、延髄の興奮をなだめているんです。
どんな暴れ馬も優れた騎手がいれば、落ち着きを取り戻すのと同じように、“耳押し法”が延髄のなだめ役になってくれるんです。
“耳押し法”は実際にしゃっくりが出ている人達の70%のしゃっくりを止めることができた効果的な方法です!
ただ、なぜ“耳押し法”が延髄の興奮をなだめられるかは、まだはっきりと解明されていません。
とはいえ、この“耳押し法”はしゃっくり対策としてはオススメなので、ぜひ試してみてくださいね。
ただ、ひとつ注意があります。
それは、しゃっくりのなかには、“耳押し法”やツボ押しをしても、ずっとが止まらないしゃっくりがあるんです・・・!
その止まらないしゃっくりとは、ズバリ、病気が関連しているしゃっくりです。
しゃっくりは3種類ある。しゃっくりが48時間以上続く場合は病院へ行こう
しゃっくりにはいくつか種類があり、持続時間によって分類することができます。
特に注意が必要なのは48時間以上続くしゃっくりです。
48時間以上続くときは、病気が原因のしゃっくりである可能性が高いので、なるべく早く病院に行くようにしてください。
どんなしゃっくりが危険なのかを知っていただくために、しゃっくりの3つの種類を紹介しますね。
1.吃逆発作(きつぎゃくほっさ)
「吃逆発作(きつぎゃくほっさ)」は、48時間以内でおさまる良性のしゃっくりです。
ほとんどのしゃっくりは、この吃逆発作にあたります。
吃逆発作が起きる主な原因としては、早食いをしたり、大笑いをしたりすることで、喉の奥にある“しゃっくりスイッチ”が刺激されたことです。
また、延髄をコントロールしている脳が疲れているとき、つまりストレスを感じていたり疲労していたりする時にも、しゃっくりが起こりやすいです。
ただ、この吃逆発作は、“耳押し法”をしたら止まる可能性が高いですし、放っておいても数分したら止まることがほとんどですので心配いりません。
ただ、しゃっくりが48時間以内でおさまったとしても、寝ている時にしゃっくりが原因で目を覚ますときは、病気が関係している恐れがあります。
そのときは、早めに病院に行ってみてください。
2.持続性吃逆(じぞくせいきつぎゃく)
「持続性吃逆(じぞくせいきつぎゃく)」とは、48時間以上1ヶ月以内でおさまるしゃっくりのことです。
ここまでしゃっくりが続く場合は、病気やストレスなど何らかの原因が引き金となって起こっている可能性が高いです。
3.難治性吃逆(なんじせいきつぎゃく)
「難治性吃逆(なんじせいきつぎゃく)」とは、1ヶ月以上続くしゃっくりのことです。
長い場合は、1年~2年もの長期に渡ってしゃっくりが続くこともあります・・・!
このしゃっくりは、病気やストレスなどが原因で起こっているしゃっくりです。
つまりまとめると、48時間以上続くしゃっくりは病気が関係している可能性が高いです。
しゃっくりが長く続くと、安眠することができないので体への負担も大きくなってしまいます。
そのため、病気が原因のしゃっくりの場合は、なるべく早く原因となる病気を特定することが大切です!
では、どんな病気が原因となるのでしょうか・・・?
というわけで、続けて、どんな病気の可能性があるのかを取り上げます。
病気が原因のしゃっくりは3つのパターンに分かれる
病気が原因となるしゃっくりは、大きく3つに分類されます。
それは、横隔膜が刺激されるしゃっくり、中枢神経が刺激されるしゃっくり、末梢神経が刺激されるしゃっくりです。
1.横隔膜系しゃっくり
横隔膜系のしゃっくり
横隔膜系しゃっくりは、胃や食道などの消化器系の病気になっている場合に横隔膜が直接刺激されて、しゃっくりが起こります。
具体的には、「胃がん」「食道がん」「胃潰瘍」「逆流性食道炎」などの病気です。
逆流性食道炎については、以前の記事でも紹介しましたので興味のある方は確認してみてくださいね。
今急増中の逆流性食道炎の原因・症状と治療法
2.中枢神経系しゃっくり
ビール
中枢神経系しゃっくりは、脳や脊髄(せきずい)を含む「中枢神経(ちゅうすうしんけい)」が刺激されて、しゃっくりが起こります。
このしゃっくりは、脳の病気やアルコール中毒が原因で中枢神経が刺激され、横隔膜が急速に収縮することによって起こります。
特徴としては、しゃっくりの間隔が短く、止まりにくいことです。
また、しゃっくりだけでなく、頭痛や吐き気などの不調を伴うこともあります。
具体的には、「脳出血」「脳梗塞」「くも膜下出血」「脳腫瘍」「多発性硬化症」「髄膜炎」「脳挫傷」などの病気です。
3.末梢神経系しゃっくり
末梢神経系しゃっくりは、中枢神経から伸びる「末梢神経(まっしょうしんけい)」が刺激され、起こるしゃっくりです。
横隔膜が関連している末梢神経は、食道などの消化器系や肺などの呼吸器系、心臓などの循環器系の器官の近くを通っています。
そのため、それぞれの病気により横隔膜が刺激されることがあります。
具体的には、「気管支炎」「喘息」「肺炎」「心膜炎」「心筋梗塞」などの病気です。
また、しゃっくりは、タバコなどの嗜好品や薬などの強い刺激が原因で起こることもあります。
タバコ
いかがでしたか?
しゃっくりは誰でも経験する症状ですが、実は体のさまざまな器官の影響を受けて発生していたんですね。
ただ、ほとんどのしゃっくりは自然と止まりますし、急いで止めたい場合は“耳押し法”やツボ押しを試してみてください。
また、誰かがしゃっくりで困っているときにも教えてあげてくださいね。