ボールペンのゴムグリップ部分や、PCのマウスや、リモコン、ゲームのコントローラのボタンなど久しぶり使ったらべとべとした手触りにびっくりした事はありませんか?
ゴムは滑り止めのために様々な商品に使われているのですが、保管状態が悪いまま長時間経過すると、劣化してべたつきが発生してしまいます。
では何故そうなるのか? どうしたらべたべたを取り除けるのか? について考察します。
ゴム製品のベタつきが発生する原因は?何故べたつきが起こるのか?
シリコンカバーやゴム製品などは、石油を原料に作られています。
このゴムやシリコンが、時間が経つにつれ劣化していき、加水分解という化学変化が起こると、中の薬品(可塑剤)が溶け出してきてしまうのです。これが、べたべたの原因です。
「加水」というとおり、水が原因で発生するこの劣化は、高温多湿の日本では、なかなか防ぐことは難しい現象。乾燥しがちな冬に起きにくく、ひと夏を超えた後に発生しやすいのも湿度のせいだったのです。
又、加水分解は、保存状態が悪いと製造から3年、通常でも約5年ほどで発生してしまうといわれています。
ベタつきを落とす方法は?どうやって落とすか?
水拭きしても落ちない頑固なべたべたは、どうすれば落ちるのか? いくつかの方法があります。
※注意:どの方法でも、素材を痛めてしまったり跡が残ってしまう可能性があります。まずは目立たない場所で試してみましょう。
方法1.無水エタノール
フェイシャルペーパー
軽いべとつき程度なら、エタノールを含んだフェイシャルペーパーなどでもある程度は落ちます。頑固なべたつきの場合はやはり濃度の濃い無水エタノールが有効です。
エタノール含有濃度が99.5%以上と濃い無水エタノール。
薬局で2000円程で売られていますが、Amazonだともう少し安く手に入れることも可能です。
これを毛羽立たない布切れなどに染み込ませて、べたついた部分を撫でるようにふき取るだけ。
布切れで拭き取ったべたべたしたものは洗っても落ちないので、捨てても良い布切れを使いましょう。
少し高い無水エタノールですが、その後もお掃除などにも活躍するので家に一本あるととても便利です。
方法2.消しゴムでこする
べたついている場所を消しゴムでこすると、けしカスと一緒にべたべたが落ちます。
消しゴムは家にあることが多いので、気軽に試せるのが良い。
複雑な形のモノには使えないのが残念・・・
方法3.重曹を使う
掃除や料理など様々な用途で使われる重曹がここでも役に立ちます。
古くなった歯ブラシに少量の水で練った重曹をつけて磨いたり、水につけても大丈夫な素材のものは、お湯に重曹を溶いたものに丸一日ほど漬け置きすると、簡単にべとつきが落ちます。
べたつかない管理方法は?
経年劣化なので、完全にべたつきを防ぐことは出来ませんが、管理の仕方次第で劣化を遅れさせることは可能です。
閉め切られて空気の籠った場所に保管すると、水分で劣化が進みやすいので、ゴム製品はなるべく風通しの良い場所に保管しましょう。
風通しの良い場所に保管することが難しくても、定期的に戸棚や部屋を開けて、空気を入れ替えるように意識すると、それだけでも劣化を遅らせることは可能です。
高価なカメラなどは、2~3000円程度で市販されているドライボックスを使って保管しておくと、カビも防げて一石二鳥です。
そして、大事なものが劣化でべたついたりしないよう、普段から風通しの良い場所で管理することをお勧めいたします。