激辛フードでお尻が痛くなる理由
激辛フードを食べた次の日、いや、早ければ2~3時間後にトイレでお尻が痛くなる……という経験をした人は多いでしょう。
真っ赤な唐辛子の見た目の凶悪さを思い浮かべれば、その理由はなんとなく推察できる気もしますし、2度辛いなんてハッピーじゃないですか?
でも、それってどういうメカニズムなのか? 激辛マニアであれば知っておきたいところ。
痛みを感じるのはなぜ?
唐辛子の辛味はカプサイシンという成分による。カプサイシンは全身の感覚神経に作用して焼けつくような痛みを生じさせる。すなわち「舌に限らず」皮膚だろうが食道だろうが、カプサイシンに触れると「痛い」と感じる。
特に舌で触れた場合、この痛みが「辛い」と知覚される。「辛いというか痛い」という感想は、比喩ではなくまさにその通りなのだ。
このカプサイシンは、人間にとって栄養になる物質ではないので、そのまま尿や便となって排出される。トイレでお尻が痛むのは、カプサイシンが腸を通っているからだ。
この時、内臓の内側には、痛みを感じる「痛点」という組織がとても少ないので、体の内側にあるときは痛みを感じない。しかし、肛門は皮膚であり「痛点」が多いため、口に入れて以来久しぶりの痛みの感覚が訪れるのだ。
なお、カプサイシンは消化器を素通りしている訳ではなく、胃や小腸で大部分が吸収され、血管を通って全身を巡ると考えられている。吸収されたカプサイシンは脳に達すると内臓感覚神経に働きかけ、体熱の発生を促す。辛いものを食べると汗をかくのは、こういう理屈なのだ。